日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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24時間胃内連続pH測定の問題点とその意義
山本 佳洋桜林 真瀬在 秀一西村 秀司清水 敏朗吉野 克正森田 敏和岩瀬 透平野 正憲右田 徹岡 博
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1993 年 35 巻 10 号 p. 2432-2437_1

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抄録
 24時間胃内pH測定は,消化性潰瘍治療などに繁用されているが,その基礎検討は余り行われていない.そのためガストリン刺激酸分泌試験との関係,および胃体部と前庭部pH変動を比較することにより,そのpH解析の基礎検討を行った.胃体部pHは,食事により一過性にpH4以上の上昇を認めたが,食後2時間での胃体部,前庭部pH4以上の時間帯(pH4 holding)に差は認めなかった.また,胃前庭部が受ける十二指腸逆流によるスパイク状のpH変化は胃体部pHには,ほとんど影響を及ぼさなかった.胃体部pH4 holdingは,最高酸分泌量(MAO)と負の関係にあり,内視鏡的診断による各胃疾患を有意に区別できた.そのため,胃内pH解析では,胃体部pH4 holding timeは食事や十二指腸液逆流の影響を余り受けずに酸分泌変動を表わすと思われる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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