日本消化器内視鏡学会雑誌
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経口胆嚢鏡(POCCS)施行例の検討
木村 克巳藤田 直孝野田 裕小林 剛渡邊 浩光長南 明道松永 厚生安藤 正夫結城 豊彦佐藤 自伸富永 現野村 美樹子石田 一彦八子 章生井上 茂望月 福治
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1993 年 35 巻 11 号 p. 2672-2679

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抄録
7例を対象に,経口胆嚢鏡(以下POCCS)の胆嚢内挿入,および観察における問題点について検討した.胆嚢結石5例,胆嚢癌1例,アデノミオマトーシス1例で,このうち6例は,ESTによる総胆嚢結石戴石術後の症例であり,他の1例はPOCCSを目的にESTを行った.親子方式で子スコープを胆管内に挿入後,直視下に胆嚢管を介してガイドワイヤーを胆嚢内に挿入,次いで子スコープを胆嚢内に進めた.5例で子スコープの胆嚢内挿入が可能で,このうち2例では,カテーテルを用いての操作を要した.挿入不能であった2例中1例は,ガイドワイヤーの胆嚢内挿入は可能であったが,拡張用カテーテルが先進せず,また他の1例はガイドワイヤーの胆嚢管通過が困難であった.胆嚢内の観察にあたっては,近接で粘膜の血管透見像,fine reticular patternが明瞭となったが,遠景の観察,撮影においては,光量がやや不足する傾向にあった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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