抄録
症例79歳,女性.64歳時脳梗塞,78歳時大腸癌にて右半結腸切除術の既往がある.平成4年4月29日腹痛にて当科入院.5月7日の下部消化管内視鏡検査で,大腸小腸吻合部より口側小腸に全周性のびらん,浮腫状粘膜と管腔狭小化を認めた.5月8日の注腸X線検査では,大腸小腸吻合部より口側小腸の約40cmにわたり管状狭窄,Kerckring皺壁の消失を認めた.5月25日の下部消化管内視鏡検査で全周性の潰瘍を認め,狭窄が強度となっていたので,6月3日手術を施行した.切除標本の肉眼及び組織所見より虚血性小腸炎と診断した.