日本消化器内視鏡学会雑誌
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Helicobacter pylori感染のスクリーニング法としての胃液中アンモニア濃度測定の有用性に関する検討
土橋 啓子井本 一郎柴田 知行高司 智史池村 典久田口 由紀子志田 幸久長谷川 浩司吉田 正樹福喜多 茂夫鈴木 司郎
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1993 年 35 巻 2 号 p. 253-260

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抄録
Helicobacter pylori(H.pylori)感染の診断に関して種々の検査法が開発されているが,各々長所と短所を有している.今回われわれは,胃液中アンモニア濃度がH.pylori感染のスクリーニングに有用であるか否か,またその判定に影響を与える因子につき検討した.対象は上部消化管内視鏡検査を施行した126例で,培養あるいは組織学的検索のいずれかでH.pyloriが同定された症例を陽性とした.その結果,胃液中アンモニア濃度が5.0mg/dl以上の症例は全例H.pyloriが陽性であり,5.0mg/dl以上をH.pylori陽性とした場合の感度は87.6%,特異性は100%と良好であった.また,胃液中アンモニア濃度が5.0mg/dl未満のH.pylori陽性例は,高齢者の比率が高く,かつ組織学的に腸上皮化生の程度が強かったが,陰性例では若年者の比率が高く,腸上皮化生は軽微であった.以上の成績より胃液中アンモニア濃度測定は簡便,容易,迅速でH.pylori感染のスクリーニング法として有用であると考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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