抄録
症例は63歳女性,冷汗を主訴に来院.全身にcafé au lait spots,神経線維腫を認めvon Recklinghausen病と診断した.来院時著明貧血を認め,入院後大量下血をきたした.小腸二重造影,上腸間膜動脈造影にて近位空腸の筋原性腫瘍が示唆された.オリンパス製JF-B3を用いた内視鏡検査で,中心陥凹を伴う広基性粘膜下腫瘤を認め出血源と確定,開腹術を施行した.近位空腸に管外性に発育した4.0×3.0×4.0cmの腫瘍と,その近傍に粟粒大から小指頭大の腫瘍を12個認めた.小腸部分切除術を行った.組織学的には平滑筋肉腫であった.2年後の現在再発徴候なく健在である.