抄録
レーザー光の胃粘膜ミトコンドリアの呼吸活性に及ぼす影響を検討するため家兎の胃体部腺粘膜よりミトコンドリアを単離し,波長514.5nm出力200mWのアルゴンレーザーを照射し呼吸活性を測定した.その結果,レーザー照射群の呼吸調節率は対照群に比較し有意に高く,呼吸活性促進作用がみられた.レーザー照射により不可避的に生じる温度上昇影響をみる温度対照群との比較により,呼吸活性促進作用は温度上昇による温熱効果ではなく,レーザーの光作用によるものであることが示唆された.ミトコンドリア内膜には電子伝達系の重要な酵素であるチトクロームやNADHなど光に感受性の高い物質が多く存在し,特にチトクロームCは還元型が520nmで最大光吸収を持ち,アルゴンレーザーに対し作用したものと考えられる.また今回の結果は低出力レーザーの生体刺激作用(生体活性効果)のひとつである可能性が示唆された.