抄録
Nitrosourea系制癌剤であるNimustine HydrochlorideからHydrochlorideを除去したNimustineとLipiodolとの懸濁液(N-L液)の胃癌に対する局注療法に関して検討を行った.【対象と方法】内視鏡下に胃癌22例に対して局注療法を施行し,その動態及び原発巣・リンパ節転移に対する抗腫瘍効果について解析した.【結果】1)N-L液のX線学的動態.(1)胃AM領域のLymphatic Drainageは主に左胃動脈経路と右胃大網動脈経路であり,局注後2日目にはリンパ節に達していた.(2)N-L液の腫瘍周囲局注により深達度診断が可能であった.2)組織学的検討.(1)N-L液は早期癌でN2群までのリンパ節の76.1±18.0%に移行が認められた.(2)腫瘍内に局注した10例中3例に組織学的に抗腫瘍効果を認めた.(3)リンパ節転移は12例あり,内1例のリンパ節に組織学的抗腫瘍効果を認めた.【結論】上記結果より,N-L液局注療法は今後改良を加えれば期待できる治療法であると考えられた.