日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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胃潰瘍治癒過程における粘膜保護剤の有用性に関する超音波内視鏡的検討
長南 明道望月 福治藤田 直孝佐藤 自伸結城 豊彦松永 厚生安藤 正夫富永 現鈴木 陽子野田 裕小林 剛木村 克巳渡邉 浩光
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1993 年 35 巻 8 号 p. 1809-1820_1

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抄録
 H2ブロッカー単独投与群とこれに粘膜保護剤を加えた併用群において,治癒過程を超音波内視鏡(以下,EUS)により比較検討し,以下の結論を得た. 1)内視鏡所見上,単独群と併用群では累積治癒率に差はなかった.しかし,併用群では,S2への移行が速く,S1でも再生粘膜の成熟の度合が高かった. 2)EUS所見上,W値,H/N値ともに,単独群に比べ併用群の方が縮小速度は速かった. 3)以上より,粘膜保護剤併用は胃潰瘍治療に有効であることが示唆された. 4)また,内視鏡所見,胃壁断層所見の両者を検討できるEUSは胃潰瘍治癒過程の検討に有用であると考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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