1994 年 36 巻 10 号 p. 2025-2028_1
症例1は56歳,男性で直腸(Ra)に最大径3cmの亜有茎性のポリープを認めた.症例2は41歳,男性でS状結腸に最大径3cmの有茎性のポリープを認め,共に内視鏡的切除を行った.組織学的にはいずれも腺管腔の鋸歯状構造を有しながら構造異型と細胞異型がみられSerrated adenomaと診断されたが,その一部に高分化型腺癌が併存していた.Serrated adenomaに癌が併存した報告例は少なく,今同これらの臨床病理学的特徴とともに,若干の文献的考察を加えて報告した.