抄録
細径超音波プローブを用いて病変を描出する際に,脱気水充満法では,脱気水を貯留させることが困難で病変の描出に難渋する症例が少なくない.その対策としてレーザーバルーン(M&M社)の超音波内視鏡検査への応用を試みた.内視鏡先端にレーザーバルーンを装着し,その中に脱気水を充満した後,鉗子口から細径超音波プローブを挿入して走査を行った.本法は,貯留した脱気水の逆流による被検査の苦痛もなく,どの部位においても病変に対し適切な角度や距離の維持が容易で,超音波像の描出が容易であった.細径超音波プローブを用いた超音波内視鏡検査の一つの方法として有用な方法であると考えられた.