日本消化器内視鏡学会雑誌
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慢性膵炎による脾静脈血栓症の1例
吉村 龍司青柳 邦彦末兼 浩史檜沢 一興興梠 憲男川久保 啓司松井 敏幸飯田 三雄橋爪 誠藤島 正敏
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1995 年 37 巻 2 号 p. 355-360_1

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抄録

 症例は35歳,男性.1985年アルコールによる急性膵炎の既往あり.1989年1月より下血が出現し,消化管出血の精査のため同年10月当科入院.胃体上部に多発する粘膜下腫瘍様隆起を認め,超音波内視鏡及び血管造影の所見から脾静脈血栓症による胃静脈瘤と診断.摘脾術及び胃の血行再建術を施行し,胃静脈瘤の消失を認めた.膵炎患者では脾静脈血栓症による胃静脈瘤発生の可能性があり,その診断には超音波内視鏡が有用と考える.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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