日本消化器内視鏡学会雑誌
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多発性硬化症の治療中,ステロイドパルス療法によって生じたと考えられる多発性大腸潰瘍の1例
村上 三郎辻 美隆坂田 秀人田中 克幸村井 秀昭大久保 雄彦岡村 維摩清水 秀之浜田 節雄里見 昭石田 清金子 厚吉田 裕
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1995 年 37 巻 7 号 p. 1448-1452_1

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抄録

症例は81歳女性.多発性硬化症のため,副腎皮質ステロイド剤のパルス療法を受けた後より血便が出現した.大腸内視鏡検査を行ったところ,直腸から横行結腸におよぶ多発性の大腸潰瘍を認めた.生検の結果では非特異性潰瘍の診断であった.臨床経過からみて,副腎皮質ステロイド剤による大腸潰瘍と判断し,副腎皮質ステロイド剤を減量し,絶食点滴療法を行った結果,順調に潰瘍は治癒傾向に向かった.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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