日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
内視鏡的逆行性膵管造影下CT(ERP-CT)による膵管分岐形態に関する検討
新井 仁秀竜 崇正大津 敦吉田 茂昭藤井 隆広朴 成和
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 38 巻 1 号 p. 20-25

詳細
抄録

膵管の分岐形態を周囲の脈管との位置関係を含め立体的に把握する目的で内視鏡的逆行性膵管造影下CT(ERP-CT)を行い,下頭枝がどの領域の枝なのかを検討した.方法はERP撮影後,希釈した造影剤を注入しヘリカルCTを施行する.スライス間隔1mmで再構成したCT像とERP像を対比して検討した.12例中9例に良好な画像が得られた.良好な画像が得られなかった3例はすべてSantorini管からの造影剤の過剰な流出が原因であった.下頭枝の支配領域を検討したところ,通常型ではSantorini管からの下頭枝は6枝すべて腹側下方,Wirsung管からの下頭枝は16枝中4枝が背側下方,12枝が膵鉤部の枝であった.ANSA型ではSantorini管からの下頭枝は10枝中4枝が腹側下方,6枝が膵鉤部,Wirsung管からの下頭枝は3枝中1枝が背側下方,2枝が膵鉤部の枝であった.

著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top