日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡切除を行った大腸顆粒細胞腫の2例
大野 健次平沢 好武清光 義則白崎 良明袖本 幸男
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1996 年 38 巻 1 号 p. 59-63_1

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抄録

症例1は59歳男性.盲腸に約10mm大のカルチノイド類似の内視鏡像を示す粘膜下腫瘤を認めた.症例2は64歳男性.盲腸に約5mm大の粘膜下腫瘍様病変を認めた.組織学的に2例とも粘膜下層から粘膜固有層に顆粒細胞腫がみられ,組織標本上,それぞれ7mm大,2.5mm大であった.大腸顆粒細胞腫はある大きさに至るとカルチノイド類似の内視鏡像を示すこと,また2.5mm大の腫瘍の組織像より,この腫瘍の発生の場は粘膜筋板近傍(カルチノイドの如く粘膜固有層の最深層からもしくは粘膜下層の最上層または粘膜筋板)にある可能性が示唆された.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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