日本消化器内視鏡学会雑誌
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腹腔鏡下胆摘術後に急速に癌性腹膜炎を呈した胆嚢癌の1例
板東 隆文永岡 栄豊島 宏庵 政志
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1996 年 38 巻 1 号 p. 79-84

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抄録

40歳の女性に胆石症・慢性胆嚢炎の術前診断で腹腔鏡下胆摘術(LC)を施行した.術中視診と摘出胆嚢の肉眼所見で癌を疑わなかったが,組織検査では全周性,全層性の低分化腺癌であった.54日後に再手術を施行したが,すでに癌性腹膜炎を呈していた.LCで予期せぬ癌を合併していれば短期間で癌性腹膜炎やトロカール孔周囲の局所再発の可能性があるので,速やかに根治手術を追加すべきである.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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