日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的粘膜切除術にて完全治癒切除しえた食道アカラシア合併食道表在癌の1例
渡辺 純夫和田 隆出口 隆造竹川 裕紀子飛田 潤原澤 茂三輪 剛町村 貴郎幕内 博康三富 利夫安田 政実
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1996 年 38 巻 10 号 p. 2415-2419_1

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抄録

 症例は70歳の女性.58歳時にアカラシアと診断され内視鏡的バルーン拡張術を施行し,経過観察されていた.定期観察の内視鏡検査にて胸部上部食道に0-IIc食道表在癌を認めた.他臓器への転移は認めずE-EMRtubeを用い内視鏡的粘膜切除術にて完全切除をしえた1例を経験した.食道アカラシアは高率に食道癌を合併することで知られているが,定期的な内視鏡観察にて早期に食道癌を発見する事が侵襲の少ない内視鏡的治療を可能にするものと考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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