気管分岐部憩室と横隔膜上憩室に合併した食道表在癌の2例を報告する.症例1は54歳女性でIm右壁の気管分岐部憩室肛門側にO-IIa型病巣を認め,右開胸開腹胸部食道全摘術と補助化学療法を施行した.腫瘍は1.0×0.6cm,深達度m3であった.症例2は74歳女性で以前にEi横隔膜上憩室内のO-I型病巣に放射線照射を受け,今回O-IIc型病巣の再発で左開胸開腹下部食道噴門切除術を施行した.腫瘍は0.8×0cm,深達度m2であった.食道憩室内癌は稀であり,その内視鏡診断と治療における問題点につき報告した.