抄録
症例は74歳,女性.貧血にて当科受診.上部消化管内視鏡検査にて胃幽門前庭部に放射状に縦走する拡張した毛細血管を認め,胃前庭部毛細血管拡張症(Gastric Antral Vascular Ectasia (GAVE))と診断した.朝日大学附属村上記念病院にて施行されていた10カ月前の内視鏡検査では同所見は認められず,比較的急性の発症と考えられた.また胃底腺領域を中心に著明な粘膜萎縮所見を認め,抗壁細胞抗体陽性,高ガストリン血症の存在から,A型胃炎に合併したGAVEと考えられた.治療はレーザー焼灼を施行し,拡張した毛細血管の消失と貧血の著明な改善が得られた.本邦におけるGAVE報告例48例の考察を含め報告した.