抄録
早期胃癌,胃腺腫に対して粘膜切除術を施行したHelicobacter pylori(HP)陽性34症例41病変,陰性13症例17病変を対象として,HP感染の潰瘍治癒,粘膜血流に及ぼす影響についての検討を行った.H.P陽性と陰性の比較では粘膜切除後潰瘍の治癒,潰瘍辺縁の経時的粘膜血流の変動には差を認めなかったが,内視鏡的な治癒期においてHP陰性潰瘍の粘膜血流比(潰瘍辺縁血流/背景粘膜血流)がHP陽性潰瘍に比して有意に高い値を示した.πP感染が潰瘍辺縁の局所性因子に影響を与え,治癒期の血流を低下させていると推測された.