日本食品保蔵科学会誌
Online ISSN : 2186-1277
Print ISSN : 1344-1213
ISSN-L : 1344-1213
樹上軟化した‘平核無’カキ果実におけるペクチン多糖類分解酵素遺伝子の発現解析
中務 明中川 強矢野 健太郎孫 寧靜坂田 裕明小山 佳代子小林 伸雄江角 智也板村 裕之
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 40 巻 4 号 p. 185-193

詳細
抄録

 11月下旬に老化により樹上軟化した‘平核無’果実を4段階の軟化度別に収穫した。エチレンおよび細胞壁分解酵素関連遺伝子の関連を明らかにするため,軟化度,内部エチレン濃度とエチレンおよび細胞壁分解酵素関連遺伝子発現を調査した。内部エチレン濃度は軟化度の進行とともに増加した。ACC合成酵素遺伝子DkACS1DkACS2およびACC酸化酵素遺伝子DkACO1DkACO2の発現を定量的PCRにより調査すると,ACS遺伝子はエチレン生成の律速段階であり,ACO遺伝子は恒常的発現を示した。3つのポリガラクチュロナーゼ(PG),2つのペクチンメチルエステラーゼ(PE),2つのβ-ガラクトシダーゼ(Gal)および1つのα-アラビノフラノシダーゼ(Arf)遺伝子は樹上軟化由来のESTから単離され,これら8つの遺伝子を発現解析した。DkPG1, DkPG2, DkGal1およびDkArf1の発現は軟化度の進行に伴い増加したが,DkPE1は軟化度1.5で最大を示し,その後減少した。またDkPG3, DkPE2およびDkGal2はほとんど変化がなかった。以上の結果より,樹上で老化した‘平核無’ではPEが作用した後にDkPG1, DkPG2, DkGal1およびDkArf1遺伝子が果実軟化に対して協調的に働いていること,特に2つのPG遺伝子は果肉のメルティング質に関与していることが示唆された。

著者関連情報
© 2014 一般社団法人日本食品保蔵科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top