日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
特徴的内視鏡像を呈する分類不能大腸ポリープ(mucosal tongue)の検討
石田 誠稲田 俊雄吉永 浩明塩見 勝彦菅 敬彦岩田 康義影山 浩村岡 篤津村 眞鶴野 正基中島 和雄田中 淳太郎越智 浩二
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 39 巻 12 号 p. 2404-2408

詳細
抄録

 われわれは,病理組織学的に分類不能大腸ポリープと考えられる大腸ポリープの9例を経験し,そのうち6例は内視鏡像の共通性から同一疾患概念に属すると考えられた.内視鏡像の特徴は正常粘膜で覆われた柔らかいポリープで,舌状またはしぼんだ気球のようなしわを伴う形態を示し,組織検査でポリープ表層粘膜には異常がなく,粘膜下組織の浮腫を主体とした毛細血管とリンパ管の拡張を伴う非特異的所見を共通に認めた.この6例の内訳は女性4例,男性2例,年齢は47歳から79歳であった.局在はS状結腸4例,直腸2例,大きさは3~18mmであった.われわれは,これらの6例のポリープについて内視鏡的特徴からmucosal tongueと仮称した.以上,病理学的に前述の組織像から分類不能とされたポリープのなかに特徴的内視鏡像を呈する一群があり,一疾患単位と考えられる.

著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top