日本消化器内視鏡学会雑誌
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孤立性胃静脈瘤に対する経静脈的塞栓術の検討
真田 淳角谷 宏斉藤 利彦
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1997 年 39 巻 2 号 p. 151-161

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抄録
1992年6月より孤立性胃静脈瘤に対し,カテーテル留置法を用いた経静脈的塞栓術(Transvenous Obliteration of Porto-systemic Shunt; TOPS)を28例に施行し,26例に消失が得られた.本法は,EO(5% Ethanolamine oleate with iopamidol)の1回注入量を安全域である20m1以下とし,24時間間隔で注入する反復注入法である.本法はカテーテルを留置することで,平均治療回数は2.39回,平均EO総注入量は32mlで,92.9%に完全消失が得られた.合併症を発熱72.7%,一過性高血圧50.0%,血尿31.8%,上腹部痛36.3%に認めたものの,重篤な副作用はみられなかった.TOPS施行後の累積生存率は1年,87.6%,3年73.6%であったが,死因は肝不全4例,肝癌死2例であった.食道静脈瘤の再発が8例あったものの胃静脈瘤の再発はなく,本法は孤立性胃静脈瘤に対し安全で確実な治療法と考えられた.
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