日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
再発食道静脈瘤に対する内視鏡的静脈瘤高周波焼灼術の有用性
中村 真一光永 篤村田 洋子鈴木 茂林 直諒
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 39 巻 2 号 p. 162-168

詳細
抄録

内視鏡的硬化療法もしくは内視鏡的静脈瘤結紮術(Endoncopic variceal ligation: EVL)後のF0~F1再発食道静脈瘤に対し,高周波凝固法を用いて静脈瘤を焼灼し消失させる目的で内視鏡的静脈瘤高周波焼灼術(Endoscopic variceal electrocoagulation: EVE)を施行し,従来の1%Aethoxysklerol (1%AS)による静脈瘤外注入硬化療法(1%AS硬化療法)と治療成績,合併症について比較検討し,その有用性を考察した. EVEを8例(100%)に施行し,治療後6カ月時の治療効果判定で,消失5例(62.5%),軽度残存3例(37.5%),中等度および高度残存0例(0.0%)であり,1%AS硬化療法に比し良好な治療成績で,かつ合併症も少なかった. EVEは食道粘膜表層に存在するF0~F1静脈瘤を直接焼灼し消失させる手技で,形成される潰瘍も浅く均一で,術後の疼痛,つかえ感が少なく食道狭窄をきたしにくい.EVEはF0~F1再発食道静脈瘤に対する合理的で有用な治療法であると考える.

著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top