抄録
膵管内乳頭腫瘍の質的診断を目的に切除23例に対し体外式超音波検査(US),腹部コンピューター断層検査(CT),超音波内視鏡検査(EUS),および膵管内超音波検査(IDUS)を行い,その診断能を比較検討した.この際,膵管内乳頭腫瘍切除28例を病理組織学的に検討し,嚢胞壁あるいは膵管壁の肥厚なし,壁在結節なし→過形成,3mm未満の壁肥厚か壁在結節あり→腺腫,3mm以上の壁肥厚か壁在結節,または嚢胞内に充満する腫瘤像あり→非浸潤癌,充実性腫瘤像,または膵管壁の断裂像あり→浸潤癌,とした判定基準を用いた.この判定基準による各検査法の質的診断能は,腫瘍・非腫瘍,悪性・良性,浸潤癌・非浸潤癌の各れの鑑別においてもUSとCTは特異度は高いが感受度が不十分であった.一方,EUSとIDUSは腫瘍・非腫瘍の鑑別診断に優れ,また良悪性と浸潤・非浸潤の鑑別診断においても比較的高い診断能を有し,本腫瘍の治療方針の決定に寄与するものと考えられた.