抄録
膵癌の診断に関しては,内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)時に生検,ブラッシング細胞診の併用が行われてきている.われわれは極細径ファイバーによる膵管鏡検査にひき続き膵管鏡抜去後,外套シース(膵管鏡カニューレ)に細胞診ブラシを挿入し,より確実に病変部位に一致したブラッシングが行える試作ブラシを製作し,その有用性について検討した.膵癌症例15例での陽性率は,生検43%(3/7),通常ブラシ60%(6/10),試作ブラシは80%(4/5)と,試作ブラシで陽性率が高かった.試作ブラシでは膵管鏡とX線透視の両方で病変を確認した後,外套シースを用いることによってより確実なブラッシングが可能となり,膵癌の診断において有用と考えられた.