抄録
患者は48歳男性で,十二指腸潰瘍経過観察中,上部消化管内視鏡検査にて十二指腸第3部に大きさ7mmのIIc+IIa型十二指腸腫瘍を認めた.赤色調で陥凹辺縁は星芒状の不整を呈している.生検組織で高分化腺癌が強く疑われ,深達度はmと考えられたため,4点固定法による内視鏡的粘膜切除を試みた.しかし穿孔性腹膜炎を併発し,膵頭十二指腸切除術を施行した.腫瘍は低異型度の高分化腺癌で0IIc+IIa,tubl,m,ly0,v0,n0であった.自験例とともに陥凹型早期十二指腸癌本邦報告例16例17病変の臨床病理学的検討を加えて報告した.陥凹型早期十二指腸癌は10mmを越えるとsmに浸潤すると推測され,内視鏡的治療の適応は10mm以下,tubl,深達度mと考えられたが,病変の占拠部位も大きな要因である.