1997 年 39 巻 9 号 p. 1582-1590
外科的に切除された未分化型早期胃癌118例118病変(m癌70病変,sm癌48病変)を対象に,リンパ節転移を中心に臨床病理学的検討を行った.118病変中6病変(5%)にリンパ節転移を認め,その内訳はm癌1病変,sm癌5病変であった.m癌のリンパ節転移陽性例は70病変中1病変(1.4%)のみであり,径35mm,Ul(+)の病変であった.sm癌のリンパ節転移陽性例はsm21病変,sm34病変でいずれもUl(+)の病変であった.以上,Ul(-)の未分化型胃m癌はリンパ節転移を認めず,一括切除可能な大きさなどの条件を付ければ内視鏡的切除で根治できる可能性が示唆された.