抄録
症例は71歳,男性.健診にて便潜血反応陽性を指摘され,三次地区医療センターを受診した.大腸内視鏡検査では上部直腸に8×6×6mmの発赤調の有茎性ポリープを認め,内視鏡的ポリペクトミーを施行した.病理組織学的には,粘膜固有層の炎症性肉芽組織,粘膜筋板の樹枝状の増生,腺管の嚢胞状拡張を伴う増生を認めたため,直腸inflammatory myoglandular polyp(IMG polyp)と診断した.IMG polypは1992年Nakamuraらが32例を報告し提唱した疾患概念で,本症例を含め海外文献を合わせても40例が報告されているに過ぎない.