日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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粘膜下注入病変挙上の有無(non-lifting sign)からみた大腸癌壁深達度診断に関する検討
井上 雄志鈴木 茂村田 洋子鈴木 衛飯塚 文瑛光永 篤吉田 勝俊戸田 潤子田中 美紀手塚 徹梁取 絵美子桜井 明鬼沢 俊輔本間 直子高崎 健
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1998 年 40 巻 2 号 p. 205-209

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抄録
大腸癌77例に対して大腸内視鏡施行時粘膜下に20%ぶどう糖液を注入し,病変の挙上した症例(以下陽性群)の壁深達度はSM'1以浅,病変の挙上しない症例(以下陰性群)の壁深達度はSM'-massive以深とし,その病理組織学的壁深達度と対比し,その正診率を検討した.大きさ別および形態別で成績に差はなく,陽性群は68例中62例(91.2%)がsm1以浅であった.sm2以深であった6例中4例はIspで,隆起型は局注するとあたかも挙上しているように観察され,疑陽性となることがあり注意が必要と思われた.陰性群は9例中9例(100%)がsm-massive以深であった.注入による病変挙上の壁深達度診断のSensitivityは100%,Specificityは91.2%,Overall Accuracyは92.2%と良好な成績が得られた.このことから局注による病変挙上の有無の壁深達度診断は,治療にも直結していることも考慮し実践的かつ有用な方法と思われた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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