日本消化器内視鏡学会雑誌
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虚血性心疾患に対する冠動脈インターベンション療法後の上部消化管病変とその予防に関する検討
後藤 亨菱木 智田中 正仁志和 忠志
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1999 年 41 巻 12 号 p. 2495-2501

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抄録
 著者らは,虚血性心疾患に対するインターベンション療法後の上部消化管病変とH2-blockerのその予防効果を検討した.検討1:インターベンション療法を施行した20例に対して,2日後に上部内視鏡検査を施行し,11例(55.0%)に上部消化管病変を認めた.検討2:インターベンション療法を施行した20例に2群に無作為に分類し,一群は術直後よりfamotidine20mg×2/日を静脈投与とし(投与群),他群は非投与(非投与群)として,内視鏡所見を比較した.非投与群は12例中11例(92.7%)に上部消化管病変を認めたが,投与群は8例中1例(12.5%)に認めたのみであった(p<0.01). 虚血性心疾患に対する冠動脈インターベンション療法後には高頻度で上部消化管病変が出現するが,その予防にはH2-blockerの投与が有効と考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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