抄録
今回内視鏡的に切除した食道平滑筋腫14例の臨床的および病理学的検討を行った.腫瘍の多くは胸部上中部食道,前壁,左側壁に発見されることが多く,内視鏡所見は山田I型の卵円形,白色調隆起を呈する粘膜下腫瘍として観察された.ヨード染色を施行した9例中4例(44%)に腫瘍頂部から口側に不染域を認めた.EUSは腫瘍の食道壁内局在診断に優れ,内視鏡的切除の適応を決定する上で有用であった.キャップ吸引法による切除は安全で,また切除標本の病理診断の点からも有用であった.本症はしばしば腫瘍頂部上皮に異型性を認め,癌の発生母地としての可能性も否定できず,内視鏡的切除を第一に考慮するのが好ましいと考えられた.