日本小児外科学会雑誌
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症例報告
腹腔鏡下腫瘤摘出術を行った先天性膵囊胞の1例
梶 祐貴 中原 康雄高橋 雄介向井 亘人見 浩介浮田 明見高田 知佳
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2023 年 59 巻 7 号 p. 1101-1104

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抄録

先天性膵囊胞は非常に稀な疾患であり,治療方針は確立していない.我々は胎児超音波検査で発見した単純性囊胞に対して,待機的に腹腔鏡下腫瘤摘出術を施行し,先天性膵囊胞と診断した1例を経験したので報告する.症例は7歳,女児.在胎38週2日の胎児超音波検査で左上腹部に直径約2 cmの単純囊胞を指摘されていた.在胎39週1日,3,280 gで出生した.出生後は4歳時に膵酵素の上昇を一度認めたが,無症状で経過した.7歳2か月で膵炎などの将来的な合併症予防と診断のため腹腔鏡下腫瘤摘出術を施行した.膵尾部に接した直径約3 cmの囊胞は膵管との交通を有し,安全に囊胞摘出可能であった.囊胞内腔には膵酵素の上昇した内容液とタンパク質からなる粥状物質を多量に認めた.囊胞壁は高円柱状上皮細胞が被覆し,一部乳頭状管状に増生しており,先天性膵囊胞と診断された.術後1年現在,特に問題なく経過している.

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