日本消化器内視鏡学会雑誌
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近位側胃切除術後に発生した上部食道狭窄症の1例
村上 英広水上 祐治宇佐美 明彦黒瀬 清隆久保 義一大塚 廣海今峰 聡松井 秀隆恩地 森一
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1999 年 41 巻 3 号 p. 320-325

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抄録

 患者は59歳,女性.主訴は嚥下障害.1980年に早期胃癌(IIc)にて近位側胃切除術を受けた.1992年より,嚥下障害が出現し次第に増悪したため入院.食道X線造影検査,上部消化管内視鏡検査にて,切歯から約25cmの部位に径5mmの全周性狭窄を認めた.24時間pHモニタリング検査,食道液生化学検査で十二指腸液逆流による食道炎が原因となった食道狭窄と診断し,バルーンによる内視鏡的食道拡張術を施行した.近位側胃切除術後に上部食道に高度の狭窄をきたした症例はきわめて稀であるので報告した.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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