日本消化器内視鏡学会雑誌
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Dieulafoy潰瘍様の内視鏡所見を呈した早期胃癌の1例
鈴木 智浩坂 充関根 健司小島 俊彦吉田 直衛小原 勝敏粕川 禮司
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1999 年 41 巻 3 号 p. 330-334

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抄録
 症例は44歳の男性.タール便と貧血を主訴に来院し,上部消化管内視鏡検査にて胃体上部後壁にDieulafoy型潰瘍が認められ,クリップにて止血した.止血約2週間後に行われた内視鏡検査では止血された血管周囲の粘膜にはヒダの細まりや中断などのIIc型早期胃癌の所見が認められ,生検にて印環細胞癌の診断が得られた.切除胃の組織像では粘膜表層に低分化型腺癌と印環細胞癌の混在が認められ,粘膜下層に印環細胞癌の浸潤がありIIc型早期胃癌と診断された.粘膜下層に拡張した動脈が認められた.組織型が低分化腺癌や印環細胞癌である胃癌の粘膜にはびらんや潰瘍が形成されやすい.また,胃体上部はDieulafoy潰瘍の好発部位である.胃体上部に発生したDieulafoy潰瘍様の形態を呈する低分化型早期癌の1例を報告し,経過観察と生検が必要であることを述べた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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