日本消化器内視鏡学会雑誌
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大腸内視鏡検査を契機に発見され,嚢胞内粘液のCEA値が高値を示した虫垂粘液嚢腫の1例
大下 恭弘大津 直也大田 将弘今村 道雄金 宣眞政永 敏之平野 巨通中島 浩一郎
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2000 年 42 巻 1 号 p. 41-45

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抄録
症例は70歳女性.便潜血陽性の精査目的で大腸内視鏡検査を施行したところ,盲腸下極に表面平滑,はちまき襞を伴う半球状隆起を認め,虫垂開口部は同定されなかった.注腸検査では盲腸下極に粘膜下腫瘍様隆起を認め,虫垂は描出されなかった.腹部超音波検査では右下腹部に二胞性の低エコー性腫瘤を認め,腹部CT検査では壁のみ造影されるlow density massを認めた.以上より虫垂粘液嚢腫と診断し,手術を施行した.嚢胞内粘液のCEA値は123ng/mlと高値で,組織学的には虫乖粘液嚢胞腺腫であった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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