日本消化器内視鏡学会雑誌
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マイクロ波凝固法が著効を示した胃体部中心の瀰慢性毛細血管拡張症の1例
茂森 昌人浅井 哲東 克己光田 憲彦西川 浩史大谷 由利子井上 文彦西田 修古川 裕夫水本 孝
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キーワード: マイクロ波凝固法
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2000 年 42 巻 10 号 p. 1994-1999

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抄録

症例は79歳女性.感冒症状を主訴に来院.血液検査でHb4.8g/dl,Hct14.3%と高度の貧血を認め,精査加療目的で入院となった.上部内視鏡検査で,胃体部中心にびまん性の血管拡張と同部からの出血を認め,非典型的なDiffuse antral vascular ectasia(DAVE)と診断した.DAVEに対しマイクロ波凝固療法を施行し,輸血をすることなく貧血は著明に改善した.自験例では通常のDAVEと異なり,病変が胃幽門前庭部にはほとんど認められず,胃体部中心に認められた.本症例は,従来言われてきた前庭部病変と関連した発生機序では説明できず,DAVEの発生機序を考えるうえで示唆に富む症例と考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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