日本消化器内視鏡学会雑誌
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Helicobacter pylori(HP)陽性消化性潰瘍におけるHP除菌成功後の潰瘍再発について
北村 和哉竹森 康弘野田 八嗣
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キーワード: 除菌療法, 潰瘍再発
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2000 年 42 巻 2 号 p. 143-147

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抄録
 Helicobacter pylori(HP)除菌に成功しかつ潰瘍治癒が確認されたHP陽性消化性潰瘍159例において,その後の潰瘍再発を検討した.維持療法は原則として施行せず,胃食道逆流症(GERD)を発症した10例(6.3%)にのみH2、受容体拮抗薬を投ページした.平均観察期間は39.1±39.7週(10-197週)で,潰り昜再発は経過中HP再陽転した1例と早期胃癌を発症した1例を除いた157例116例(3.8%)にみられた.疾患別の再発率は,胃十二指腸潰瘍29例中2例(6.9%),胃潰瘍85例中3例(3.5%),に指腸潰瘍43例中1例(2.3%)と胃十二指腸潰瘍の方が十二指腸潰瘍より高い傾向がみられた.潰瘍治癒までの期間と再発との関連性については,潰瘍治癒が遅い群で再発率が高かった.再発部位は,6例中4例(67%)が除菌前と同部位にみられた.6例全例NSAIDsの使用は認めず,また再発時全例HP陰性であった.
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