日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃粘膜下腫瘍様形態を呈した早期リンパ球浸潤性髄様癌の1例
田中 祥介上村 志伸児玉 俊露久保 辰夫田邊 友紀男清水 利夫那須 道世小堀 〓一郎
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2000 年 42 巻 2 号 p. 148-151

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抄録

 症例は48歳女性.検診目的の上部消化管検査にて異常を指摘され当科入院.上部消化管造影及び胃内視鏡検査にて体中部小彎側に粘膜下腫瘍様病変を確認したか,生検の結果低分化胃癌と診断されたことから胃全摘術を施行した.腫瘍は約25mm大て病理組織学的には粘膜下層までの浸潤に留まるリンバ球浸潤性髄様癌であった.リンバ球浸潤性髄様癌は通常型の胃癌に比べ粘膜下腫瘍様形態を呈することが多く,確定診断に難か渋することがあり,治療に遅延を来たす場合がある.一見脳膜下腫瘍様病変に観察された場合でも,本症状の存頭におき慎重な対応が必要である.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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