日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
Gold Probeにて止血し得た十二指腸憩室出血の1例
永井 敬之中嶋 宏鳥島 竜太郎内田 明宏高橋 研二大河原 均藤岡 利生
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 43 巻 1 号 p. 31-35

詳細
抄録
症例は82歳の女性.原因不明の下血を繰り返すため入院となった.上部消化管内視鏡検査では十二指腸下行脚に巨大な傍乳頭憩室がみられ,憩室内に露出血管を認めた.クリップ止血およびHSE(高張Naエピネフリン液)局注にて止血したが,2カ月後再出血した.HSE,エタノール局注するも完全止血しえず,Gold Probe(双極型高周波電気凝固法)にて止血しえた.その後,出血は認められない.十二指腸憩室出血に対する内視鏡的止血は,本邦では現在まで自験例を含めて18例の報告があるが,Gold Probeによる治療の報告例は他にない.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top