日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
43 巻, 1 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 丹羽 寛文
    2001 年43 巻1 号 p. 1
    発行日: 2001/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 中村 孝司
    2001 年43 巻1 号 p. 2
    発行日: 2001/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • ―新たに開発された2波長赤外線電子内視鏡による評価―
    高田 雅博, 國分 茂博, 大井田 正人, 山岡 佐世, 日高 央, 西元寺 克禮
    2001 年43 巻1 号 p. 3-13
    発行日: 2001/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    2波長赤外線電子内視鏡を用い,内視鏡的硬化療法(EIS)が胃粘膜内血行動態に及ぼす影響を検討した.胃粘膜内血流は画像解析にてICG投与開始前から190秒までのR成分の経時的変化を内視鏡画像より算出し数量化曲線として表した.その結果,健常人とEIS前の曲線には有意差はなかったが,EIS直後はEIS前に比し有意に上昇した.この変化はEISの胃壁枝描出のみと相関し,胃壁枝への硬化剤流入が胃粘膜内血流に鬱滞を及ぼしたためと考えられた.EIS前に比しEIS直後に曲線が上昇する上昇群と,上昇しない非上昇群の2群に分けると,上昇群はEIS直後に有意に上昇した.また,両群のEIS前の曲線を比較すると,非上昇群が有意に高値だった.さらに,上昇群は胃壁枝への硬化剤注入が有意に高率だった.以上より,上昇群は胃壁枝が発達した状態であると推察された。また,EIS12カ月後の観察例より胃粘膜内血流の鬱滞は経過により改善傾向を認めた.
  • 押谷 伸英, 西口 幸雄, 前田 清, 川島 大知, 稲川 誠, 十河 光栄, 山上 博一, 飯室 正樹, 神野 良男, 佐々木 伸一, 浜 ...
    2001 年43 巻1 号 p. 14-19
    発行日: 2001/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    当科にて,1994年5月から1999年5月までに入院治療が行われた潰瘍性大腸炎75例について,非手術例63例および急性期手術例12例における臨床的背景および大腸内視鏡像に関して検討し,中等症・重症例における早期の手術適応に関する大腸内視鏡検査の位置づけについて検討した.対象は男性49例(手術例5例;以下括弧内手術例),女性26例(7例)である.平均年齢は33歳(37歳)であった.罹患範囲別には全大腸炎型が28例(10例)で左側大腸炎型が35例(2例)である。臨床病型別には初回発作型12例(0例),再燃緩解型44例(11例),慢性持続型6例(1例)であった.手術例の手術理由としては,中毒性巨大結腸症1例,大量下血7例,急性期ステロイド治療無効例が4例であった.手術例において10例で術前に内視鏡検査が行われ,到達部位は盲腸6例,下行結腸1例,S状結腸3例であった.また,内視鏡検査により穿孔や大量下血等の重篤な合併症は認められなかった.手術例において,内視鏡的に萎縮型に比べ偽ポリポーシス型が有意に多くみられ,polypoid mucosaltagや広範な粘膜剥脱が有意に多くみられた.潰瘍性大腸炎急性期においても慎重に行うことにより大腸内視鏡検査は安全に行うことができ,手術適応を決定するに際して有用であった.
  • 小市 勝之, 宮西 秀二, 岩根 弘明, 小川 滋彦
    2001 年43 巻1 号 p. 20-24
    発行日: 2001/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は79歳女性,主訴は嘔吐.経鼻胃管による栄養管理をうけていたが,嘔吐,肺炎をくりかえすため精査目的で入院となった.胃管からの造影検査では高度の食道裂孔ヘルニアを認め,胃全体が胸腔内に脱出し胃軸捻転を合併していた。レントゲン透視下に内視鏡を挿入.送気を充分行い,胃が腹腔内に整復されたのを確認.胃壁固定具を併用し,経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を施行した.瘻孔造影では,滑脱型食道裂孔ヘルニアを認めたが,胃は正常な解.剖学的位置に認められた.高度食道裂孔ヘルニアに伴う胃軸捻転に対してPEGを施行した報告は本邦では初めてである.
  • 田代 健一, 鈴木 裕, 増田 勝紀, 湯橋 崇幸, 鈴木 博昭, 青木 照明
    2001 年43 巻1 号 p. 25-30
    発行日: 2001/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は68歳の男性.胃全摘術後の局所再発による全周性空腸狭窄のため,EMS(expandablemetalic stent)の留置を目的に入院となった.PEJ(percutaneous endoscopic jejunostomy)を利用することにより,固定されていない空腸を直線化しEMSの留置を可能にした.これにより患者は経口摂取が可能となり,社会復帰することができた.本治療法はEMS留置後の再狭窄や癌性腸閉塞にも応用が可能であり,緩和医療の視点からも有用な方法であると考えられた.
  • 永井 敬之, 中嶋 宏, 鳥島 竜太郎, 内田 明宏, 高橋 研二, 大河原 均, 藤岡 利生
    2001 年43 巻1 号 p. 31-35
    発行日: 2001/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は82歳の女性.原因不明の下血を繰り返すため入院となった.上部消化管内視鏡検査では十二指腸下行脚に巨大な傍乳頭憩室がみられ,憩室内に露出血管を認めた.クリップ止血およびHSE(高張Naエピネフリン液)局注にて止血したが,2カ月後再出血した.HSE,エタノール局注するも完全止血しえず,Gold Probe(双極型高周波電気凝固法)にて止血しえた.その後,出血は認められない.十二指腸憩室出血に対する内視鏡的止血は,本邦では現在まで自験例を含めて18例の報告があるが,Gold Probeによる治療の報告例は他にない.
  • 石川 伸久, 渕上 忠彦, 小林 広幸, 堺 勇二, 小田 秀也, 竹村 聡, 菊池 陽介, 長村 俊志, 宮本 竜一, 森山 智彦, 中西 ...
    2001 年43 巻1 号 p. 36-43
    発行日: 2001/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は60歳,男性.下血を契機として直腸肛門部の腫瘤を発見され紹介受診.内視鏡検査では粘液,白苔で覆われた不整形隆起性病変で,超音波内視鏡検査では病変は筋層以深にまで浸潤していた.CTで直腸壁の肥厚および骨盤内リンパ節の腫大を認めた.生検標本では腺管形成を伴わない類円形の異型細胞の集合を認め,メラニン色素はないものの免疫組織学的検索にてS-100,vimentinとHMB-45が陽性,cytokeratinは陰性であり,骨盤内リンパ節転移を伴う無色素性悪性黒色腫と術前診断した.外科的に切除し無色素性悪性黒色腫と確診したが,術後10カ月目より多臓器に遠隔転移をきたし16カ月目に死亡した.
  • 中尾 武, 稲次 直樹, 吉川 周作, 高村 寿雄, 増田 勉, 香山 浩司, 榎木 登, 榎本 泰三, 石川 博文, 中野 博重
    2001 年43 巻1 号 p. 44-49
    発行日: 2001/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は42歳,男性.検診目的で受診.内視鏡検査で胃および大腸にポリポーシスを認めた.ポリープの病理組織学的診断は過形成性病変が多数を占めたが,中~高度な異型を呈する腺腫も存在した.全身検索では肝臓に血菅腫,甲状腺に多発性嚢腫を認め,顔面の丘疹,口腔粘膜,舌に乳頭腫,扁桃腫瘤を認めたことよりCowden病と診断した.Cowden病は悪性腫瘍を合併することが多いとされ,厳重な経過観察が必要と考える.
  • 藤田 賢一, 山川 達郎, 酒井 滋
    2001 年43 巻1 号 p. 50-57
    発行日: 2001/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    新しい消毒薬の一つとして注目される0.55%オルトフタルアルデヒド(OPA)の消毒効果を検査後の上部消化管電子スコープと大腸電子スコープを洗浄を行わずに検討した.上部消化管電子スコープの消毒前の好気性の優勢菌種はStreptococcus,Nisseria,Corynebacterium,Haemophilusであり,その菌数は105個/mlであった.消毒後,チャンネル内に残存した菌種は5分消毒群においてBacillus licheniformisのみで,7分,10分消毒には検出されなかった.一方,大腸スコープ消毒前において好気性の優勢菌種はE.coli,Streptococcusであり,その菌数は上部消化管と同様であった.消毒後も残存した菌種はBacillus subtilis, Bacillus megateriumのみであった.消毒前にBacillus subtilisが証明された症例の菌の減少度合いを経時的にみると,消毒後の検出率が5分で5/5(100%),7分で1/1(100%)であったが,10分では2/7(28.6%)に減少した.
    OPAは,有機物存在下でも一般細菌を5分で死滅させ,Bacillus属に対しては10分で一部死滅させることができ,更に消毒時間を延長することによりBacillus属に対しても有効であると考えられた.以上,本剤は高レベル消毒薬としての役割を十分果たし得ると考えられた.
  • 徳毛 宏則, 小松 弘尚, 中尾 円, 國弘 佳代子, 石田 邦夫
    2001 年43 巻1 号 p. 58-63
    発行日: 2001/01/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    われわれは幽門前庭部の悪性狭窄に対するステント留置に胃瘻ルートを用いる方法(経胃瘻ステント留置術)を8例に試み,良好な成績を得た.気管支用Zステントにカバーを巻き使用した.内視鏡観察下に病変から正面となる部位を穿刺点とし,胃壁と腹壁を固定後,同部に8Fアンギオシースを挿入した.アンギオシース先端を用手的に操作し悪性狭窄部へ誘導,そこからガイドワイヤーを狭窄を越え十二指腸まで通過させた.そのガイドワイヤーにそわせてステントインデューサーを通しステントをリリースした.本法は安全かつ容易なステント留置法であると考えられた.
feedback
Top