日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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異所性膵組織を伴った胃重複症の1例
堀井 孝容金政 和之竹内 孝幸島本 和彦竹下 訓子時田 和彦若林 直樹光藤 章二加嶋 敬土橋 康成
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2001 年 43 巻 4 号 p. 833-838

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抄録

 症例は63歳男性.心窩部不快感を主訴に来院.胃内視鏡検査にて前庭部大彎に径3cm大の粘膜下腫瘤を認めた.超音波内視鏡検査にてIII・IV層の肥厚がみられ,III層の内部に管状の低エコー域を認め,迷入膵を疑い,胃部分切除術を施行した.腫瘤には肥厚した粘膜下層と固有筋層がみられ,粘膜下層に幽門腺粘膜に覆われた嚢胞と異所性膵管と膵腺房組織がみられたため,異所性膵組織を伴う胃重複症と診断した.異所性膵組織の合併は本邦では過去に1例しかなく,胃重複症が前腸の分化異常によって起こるとする説を示唆する重要な所見と考えた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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