抄録
症例は45歳,男性,嘔気の精査目的に施行した上部消化管内視鏡検査にて,約10mm長のshort segment Barrett's esophagus(SSBE)内に約4mm大の0'-lla型早期食道腺癌を認め,内視鏡的粘膜.切除術(endoscopic mucosalresection;EMR)を施行した.病理組織学的に深達度m,1y0,v0で,断端陰性であった.本症例は,早期発見によりEMRにて完全切除が可能であったBarrett腺癌の1例であり,貴重な症例と考えられた.今後,積極的にBarrett上皮を拾い.上げ,経過観察する必要性が示唆された.