日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的残胃嚢胞ドレナージ術が奏効した難治性膵仮性嚢胞の1例
橋口 一利松浦 隆志徳光 陽一郎井上 昭宏高橋 信大畑 佳裕一宮 仁中垣 充白浜 正文
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2002 年 44 巻 1 号 p. 30-37

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抄録
症例は53歳の男性で,十二指腸潰瘍にて胃部分切除の既往がある.元来,大酒家であった.平成12年1月4日に上腹剖3痛にて米院し.US.CTに主膵管の拡張膵尾部に6cm径の胞と周囲脂肪織の混濁を認め,慢性膵炎の急性増悪に伴膵仮性嚢胞の診断にて入院した.膵酵素阻害剤,経静脈栄養にて治療を行うも嚢胞は10cmに増大し,症状が増悪した.各種画像診断にて悪性所見は認めず,発症後6週目に内視鏡的残胃嚢胞ドレナージ術左施行した.経鼻ドシナージとして嚢胞洗浄を行い,嚢胞の消失と臨床症状の著明な改善を得た.内視鏡的胃嚢胞ドレナージの報告は散見ざれるが,残胃に施行した症例は少ないため報告した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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