抄録
根治切除不能な大腸癌によるイレウスに対しては,従来は入工肝門造設等の開腹手術を行うことが一般的であった.近年,内視鏡治療の進歩により.根治切除不能な食道癌による狭窄には,self expandable metallic stmt(EMS).留が一般的となつてきた.われわれは今回,4例の大腸癌による腸閉塞に対して,EMSを留置した.全例におい.てEMS留置は腸閉塞の解除に有効で,留置に伴う合併症はみられなかった.EMS留置は開腹手術に比べて低侵襲であり,根治切除不能な大腸癌による腸閉塞症例におけるQOLの改善に有用であると号えられた.