日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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内視鏡下に排膿を観察し得た盲腸周囲膿瘍の1例
安藤 貴志磯崎 豊霜澤 真杉本 尚仁本郷 仁志加藤 治樹古木 武司高森 成之山根 哲郎西村 俊一郎内藤 裕二森田 豊吉田 憲正吉川 敏一
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2002 年 44 巻 2 号 p. 155-159

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抄録

 症例は68歳男性.1998年10月右下腹部痛を主訴に当科を受診し,白血球増多とCRP高値を認め,虫垂炎の疑いにて入院となった.腹部CT検査および腹部超青波検査にて,回盲部周辺に腫瘤像を認めた.また大腸内視鏡検査にて,発赤した虫垂開口部の近傍に粘膜下腫瘍様の隆起を認め,その頂点にびらんを伴ったが,吸引操作にて偶然排膿を促されるのが観察された.内視鏡下に排膿が観察された報告は本1/玉では11例に過ぎなかった.盲腸周囲膿瘍に対する大腸内視鏡検査は,診断のみならず治療面においても有用である可能性が示唆され,安全性の確立も含め症例を液ねる必要があると考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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