日本消化器内視鏡学会雑誌
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44 巻, 2 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 森安 博人, 松村 雅彦, 本田 泰啓, 小泉 雅紀, 梅本 典江, 上田 重彦, 折橋 透, 米田 諭, 栗山 茂樹, 福井 博, 廣橋 ...
    2002 年 44 巻 2 号 p. 135-145
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     孤立性胃静脈瘤10例に対して初回治療として胃腎シャント閉塞下硬化療法(shunt occlud-ed endoscopic injection sclero therapy;SO-EIS)を施行し,その臨床的有用性を検討した.本法は,B-RTO(balloon-occluded retrograde transvenous obliteration)の.手技を応用してバルーンカテーテルで胃腎シャントを閉塞した上で,内視鏡下に胃静脈瘤を直接穿刺しEISを行うものである.1-2週後に静脈瘤内の血流が残存するものに対しては,原則として通常のEISを追加した.治療回数は平均2.5回で硬化剤の総注入量は平均33.9ml,SO-EIS時の注入量は平均18.4m1であった.治療により胃静脈瘤は10例中9例で消失し,残り1例も平低化した.重篤な合併症は認めなかった.血行動態の検討では,著効した9例全例で静脈瘤とその供血路の消失を認めた.排血路のシャント血管は9例中5例で温存された.以上より,本法は孤立性胃静脈瘤に対し極めて有用な治療法と考えられた.
  • 藤原 省三, 佐藤 博, 野口 琢矢, 長門 仁, 尾崎 任昭, 菊池 隆一, 野口 剛, 内田 雄三
    2002 年 44 巻 2 号 p. 146-150
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は69歳,男性.脳梗塞後遺症のため胃瘻が造設されていた.出血性胃潰瘍のため緊急入院.H2受容体拮抗剤により一時は軽快したが,2カ月後,潰瘍は一再発した.その後3カ月間の治療にて潰瘍は瘢痕化しなかったため,オメプラゾール坐剤を調製し投与した.投与中の24時間胃内pHモニタリングでは酸分泌抑制効果はほぼ完全であり,潰瘍は速やかに瘢痕化した.嚥下困難な患者の難治性胃潰瘍に対し,オメプラゾール坐剤の投与は極めて有効な治療法であると考えられた.
  • 中沢 和之, 向林 知津, 新垣 直樹, 井上 泉, 前北 隆雄, 柳岡 公彦, 玉井 秀幸, 塩谷 昭子, 北内 信太郎, 一瀬 雅夫
    2002 年 44 巻 2 号 p. 151-154
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は14歳,男性.外傷性頸髄損傷にて人院,四肢不全麻痺の状態で,寝たきりに近い状態であった.人院後17日目に,突然の無痛性新鮮下血が出現した.大腸内視鏡検査を施行したところ,下部直腸に限局して,全周性,地図状不整形潰瘍を認め,急性出血性直腸潰瘍と診断した.年齢的な要因ばかりでなく,仰臥位で寝たきり状態という身体的要因が本症発生機序に大きく関与している事を示す貴重な症例と考えられたので報告する.
  • 安藤 貴志, 磯崎 豊, 霜澤 真, 杉本 尚仁, 本郷 仁志, 加藤 治樹, 古木 武司, 高森 成之, 山根 哲郎, 西村 俊一郎, 内 ...
    2002 年 44 巻 2 号 p. 155-159
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は68歳男性.1998年10月右下腹部痛を主訴に当科を受診し,白血球増多とCRP高値を認め,虫垂炎の疑いにて入院となった.腹部CT検査および腹部超青波検査にて,回盲部周辺に腫瘤像を認めた.また大腸内視鏡検査にて,発赤した虫垂開口部の近傍に粘膜下腫瘍様の隆起を認め,その頂点にびらんを伴ったが,吸引操作にて偶然排膿を促されるのが観察された.内視鏡下に排膿が観察された報告は本1/玉では11例に過ぎなかった.盲腸周囲膿瘍に対する大腸内視鏡検査は,診断のみならず治療面においても有用である可能性が示唆され,安全性の確立も含め症例を液ねる必要があると考えられた.
  • 垂水 研一, 古賀 秀樹, 飯田 三雄, 松本 啓志, 藤田 穣, 小堀 陽一郎, 武田 昌治, 星加 和徳
    2002 年 44 巻 2 号 p. 160-164
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例1は直腸炎型潰瘍性大腸炎の24歳女性.今回は深部大腸と回盲弁にも潰瘍られた.培養でCampylobacter jejuniを検出した.症例2は全大腸炎型潰瘍性大腸炎の59歳女性.全大腸病変と終末回腸の小潰瘍を認めた.培養でSalmonella enteritidisを証明した.潰瘍性大腸患者で腹部症状が出現した場合.感染性腸炎の合併を疑い深部大腸の潰瘍性大腸炎とは異なる巣伏炎症性病変の有無を確認すべきである.
  • 山元 隆文, 松元 淳, 有馬 暉勝
    2002 年 44 巻 2 号 p. 165-170
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は74歳男性.66歳時に全大腸型の潰瘍性大腸炎と診断され,内服にてほぼ緩解状態であった.68歳時に微小胃癌,膵管内乳頭腺腫にて幽門側胃切除,膵体尾部切除歴あり,平成11年9月頃より原因不明の膵炎を繰り返し発症し,また下血も出現,増悪した.大腸内視鏡検査にて潰瘍性大腸炎の再燃と診断.メサラジン,ステロイド投与で改善を認めたが,以後膵炎発作も消失した.ERCP等でも異常所見なく,臨床経過より両者の関連性が強く示唆された.
  • 伊藤 健一, 松尾 陽一, 浜田 修二, 田中 宗浩, 原田 直彦, 澄井 俊彦, 水元 一博, 高田 三由紀, 八尾 隆史, 名和 田新
    2002 年 44 巻 2 号 p. 171-175
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は89歳女性.大腸癌術前の腹部CT検査にて膵尾部腹側に径3cm大の腫瘤を認めた.超音波内視鏡検査では胃壁第4層と連続し管腔外に突出した腫瘤として描出され, gastro-intestinal stromal tumor(GIST)と診断し,腫瘤摘出術施行.腫瘤は膵被膜と連続しており,病理診断では腎細胞癌であり,9年前に摘出された腎細胞癌の晩発性膵被膜転移と考えられた.
  • 飯塚 雄介, 光永 篤, 鈴木 茂, 林 直諒
    2002 年 44 巻 2 号 p. 176-182
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     今回われわれは出血性胃十二指腸潰瘍に対しショートクリップ(オリンバス社製HX600135S)による止血術を試みた.ショートクリップは従来の止血用クリップ(同社製HX600 135)に比べ組織把持部分が約2mm短いため,クリップ先端が潰瘍底を滑りにくく露出血管の結紮がこれまでより確実に行える.クリップが掛かりづらい接線方向の病変に対しては先端突出長4mmの軟性透明フードを併用し正面方向からアブローチした.対象の出血性胃十二指腸潰瘍12例全例で初回完全止血に成功し再出血は認められなかった.用いたクリップの個数は1~3個(平均2.2個)で,出血点を発見してから治療終了までに要した時間は何れも15分以内であった.治療に伴う潰瘍の拡大や合併症も認められなかった.ショートクリップは従来の止血用クリップに比べ組織把持部分が短くなったことで露出血管まを確実に結紮できるようになり止血効果に優れていると考えられた.
  • 井田 和徳, 奥田 順一, 黒田 雅昭, 浅木 茂, 相田 重光, 中村 孝司, 屋嘉比 康治, 朝倉 均, 成澤 林太郎, 渡辺 英伸, ...
    2002 年 44 巻 2 号 p. 183-190
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     「背景・目的」Helicobacfer pylori(Hp)感染の内視鏡診断を確立する目的で本学会に附置研究会として「Hp内視鏡研究会」が設置され,3年間活動した.本文はこの研究会事業の一つとしておこなった「Hemoglobin index(IHb)によるHpの感染診断―多施設によるprospective study―」の成績について報告する.「方法」8施設により,胃体上部後壁~大彎側の胃底腺粘膜を電子スコープで撮影し,IHbを測定した.Hp感染の診断は尿素呼気試験を含め通常の方法によった.「成績」145例の症例が集積されたが,IHb測定不適格の41例と他施設に比べてIHb値が全体に低い施設の例36例を除外し,68例が検討対象となった.IHbのカットオフ値を60にするとHp診断の感度86%,特異度81%であった.カットオフ値を58あるいはグレーゾーンを58~60に設定すると,それぞれ感度93%,92%,特異度69%,78%であった.「結論」IHbは適正条件のもとで測定すれば,Hp感染の臨床診断に応用できる.
  • 日本消化器内視鏡学会
    2002 年 44 巻 2 号 p. 194-200
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    2002 年 44 巻 2 号 p. 201-208
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    2002 年 44 巻 2 号 p. 209-224
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    2002 年 44 巻 2 号 p. 225-229
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 日本消化器内視鏡学会
    2002 年 44 巻 2 号 p. 230-232
    発行日: 2002/02/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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