日本消化器内視鏡学会雑誌
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―地域における消化器内視鏡関連偶発症の検討
折居 正之千葉 俊美猪股 正秋鈴木 一幸
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キーワード: 消化器内視鏡, 偶発症
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2002 年 44 巻 3 号 p. 651-655

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抄録

31施設における,5年間の消化器内視鏡関連偶発症について調査した.総検査件数は,397,876件(上部消化管283,489件,下部消化管92,685件,胆・膵15,725件,超音波内視鏡5,586件,腹腔鏡391件)であった.各検査別偶発症発生率(%)は,上部消化管0.0098,下部消化管0.0582,胆・膵0.25,超音波内視鏡0,腹腔鏡0.25であり,前処置による偶発症は0.0017であった.死亡例は8例(0.002%)で,その平均年齢は67.1歳であった.われわれの調査では,胆・膵内視鏡検査・処置による膵炎の頻度が高く,また,下部消化管内視鏡検査における穿孔が比較的多くみられた.偶発症の対策としては,各検査・処置および高齢者の特徴を十分に理解した上で行う必要があり,さらに内視鏡に固執せず他の検査法も選択すべきと考えられる.

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