2002 年 44 巻 3 号 p. 679-683
症例は76歳,男性.10年前より原因不明の貧血を指摘されていた.2000年,貧血の精査のための大腸鏡検査で盲腸から上行結腸にvascular ectasiaを数個認め,同部の超音波内視鏡では粘膜層内に拡張した血管がみられた.このvascular ectasiaが繰り返す貧血の原因と考え,病変部にアルゴンプラズマ凝固法による内視鏡的治療を施行した.治療3カ月後の大腸鏡検査では凝固部は潰瘍瘢痕化しており,超音波内視鏡にても血管拡張は認められなかった.