日本消化器内視鏡学会雑誌
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大腸癌手術後症例に対する大腸内視鏡検査前処置法の検討
佐々木 一晃大野 敬大野 敬祐吉川 智道川崎 浩之高坂 一小野 一紀松永 隆裕鈴木 朝子青木 繁雄仲川 尚明矢花 剛平田 公一
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2003 年 45 巻 2 号 p. 127-131

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抄録

大腸癌術後症例の経過観察に大腸内視鏡検査は必要不可欠である,大腸癌術後1年以上経過した59例を無作為に2群に別け,大腸内視鏡検査前処置の腸管洗浄液の減量が可能か否か検討した.ポリエチレンダリコール電解質液(以下PEG)をA群で1,000ml,B群で2,000mlとした.良好な効果(残渣が全くない,または少量あるも観察に支障ない状態)ほA群で50%,B群で78%であつた(p<0-05).しかし,口側大腸癌手術症例ではA群で90%,B群で83%と両群とも良好であった.肛門側大腸癌手術症例の前処置法ではA群で32%,B群で76%と有意にA群で不良であった(p<0.01).口側大腸癌手術症例での内視鏡前処置法ではPEG量を1,000mlに減らす可能性が示された.一方,肛門側大腸癌手術症例の24%は2,000mlでも効果不十分であった.大腸癌術後症例の大腸内視鏡検査前処置法では手術部位を念頭に置いた対応が必要である.

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