日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
内視鏡下生検で診断された膵内分泌腫瘍の1例
猪熊 哲朗坂本 岳史片山 幸子上尾 太郎柴峠 光成井谷 智尚三村 純小森 英司藤堂 彰男
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 45 巻 4 号 p. 872-880

詳細
抄録
症例は76歳女性.健診にて肝機能異常を指摘された.腹部超音波検査にて総胆管・膵管は拡張し,総胆管結石と膵頭部に豊富な血流シグナルを有する腫瘤を認めた.乳頭切開にて結石を除去したが,乳頭切開部より腫瘤が露出.し,生検にて内分泌腫瘍の診断を得たため,膵頭十二指腸切除術を施行した.免疫組織的検索にて,pallcreatic polypeptidel場性の膵内分泌腫瘍であり,主膵管内腔に沿って乳頭部に進展しており,膵管上皮由来と考えた.総胆管結石の合に腫瘍の存在が影響した可能性が示唆された.内視鏡下生検にて膵内分泌腫瘍が診断されることは極めてまれであり,文献的考察を加え報告した.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top